重度のシスコン姉妹が暴走する百合コメディ - える・えるシスター(1)
える・えるシスター(1)/邪武丸(Amazon)
邪屋。(作者サイト)
ドタバタなラブコメとシリアスな恋愛漫画で面白さが違うように、百合漫画でもラブコメベースの漫画とシリアスベースの作品ではやはり楽しみ方は異なります。
とりわけラブコメにおいては、コメディ色が強くなれば一話完結のドタバタコメディとして一話単位で楽しめるようになり、ラブ部分のニヤニヤを誘発させる力は瞬発力があります。
「える・えるシスター」もかなりニヤニヤしてしまうドタバタ百合コメディです。
主人公のふたばは重度のシスコンで、高校進学を機に寮生活を始めてしまった最愛に姉と同じ高校に入るため、自身の学力を超える勢いで猛勉強して無事合格しました。
姉への愛は偉大です。
…が。
高校で2年ぶりに再会した姉は逢い引きの真っ最中で、それを目撃してしまったふたばは卒倒。
倒れている時に見た夢は、幼い日の自分に好きと言ってくれた姉の姿だったという。
姉の一菜は品行方正、才色兼備、生徒会長を務め、生徒からの人気も高い完璧超人。
対して妹のふたばは、デカイ。そらもうデカイ。身長180くらい。
その外見からカッコイイ頼れる人と思われがちですが、中身はいたって気弱で、プレッシャーに極端に弱いというギャップが可愛らしい女の子です。
タイトルの「える・えるシスター」は”Lサイズ”の”Little Sister”で、要するにデカイ妹。
この世…というか、二次元でも完全な完璧超人なんてそうそういるわけもなく、どっかしら欠点があるものです。スキがあった方が魅力的に見えるのです。
一菜もやはり完璧超人などではなく、ふたばを超える超弩級のシスコンなのでした。
そのシスコンぶりは、妹のふたば好きすぎて身悶えし、可愛すぎて「いたずらしたいいいっ」と叫ぶレベル。
いたずらして好きにしてしまいたいが故に、手を出さないように家を出て寮に入ったというのだから筋金入りです。
隠していた本性がふたばにバレてからは、もう包み隠さずアタックし、つれないことを言われると血を吐いて倒れたり風化したり。
ふたばのシスコンぶりが普通に見える程の、最早病気ですがここまでやってくれた方がドタバタコメディとしては楽しいですよね。
一菜の病的なシスコンぶりにたじろぎ、慌てふためきながらも、ふたばはお姉ちゃん大好きなので百合でニヤリとできますが、基本的には姉妹（主に一菜）の暴走が周囲を巻き込んでのギャグ漫画。
あとがきにあるように、百合テイストよりもアホな部分が全面に出ています。
頭を空っぽにして楽しめる百合漫画なので、頭が疲れた百合好きには良い…かも。
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