今年最後の百合姫、百合姫S VOL.7も百合三昧



コミック百合姫S VOL.7(Amazon)


今年最後の百合姫百合姫SのVOL.7の発売です。
椿あす先生の「HONEY CRUSH」1巻のクリスマス仕様の着せ替えカバーが付録。
表紙の方は着物で、今年も百合いっぱいの一年でしたが、来年も百合だくさんの一年になりそうです。


表紙のラインナップにすどおかおる先生の名前が表記されていますが、休載。
でも「オトメキカングレーテル」の単行本が同時発売だからまぁいいか。
しかし、単行本のあとがきカットの「女子校はオカズに事欠かない」のセリフには吹いたwww
百合的にはアリですねw



さて今号も読了しまして、やっぱり読んでいる時はニヤニヤしてました。
特に好きな作品をピックアップして感想を。

キコエルスズノネ / 倉田嘘

何でいつもながらこうも素晴らしいんだ!というくらい、倉田嘘先生は個人的に外れがないです。
今回も面白かった。


クリスマスを目前とした音大の、とある女子大生のお話。
地味で、友達もなく彼氏もなく、クリスマスにはオーケストラの採用試験という朋子。
明るくていつも友達や彼氏と賑やかにしている朋子とは逆のタイプで、パートが同じフルートの岡本が、朋子に先月から話しかけてくるようになって…、というものでこれが面白いんだ。


朋子は自分にないものをたくさん持っている岡本が、コンプレックスからクリスマスに予定のない自分をからかっていると思って突き放し、岡本はそれでもアプローチするという展開なんですが、二転三転する状況が良いのです。
二転三転というとちょっと語弊がありますね。山場が多いと言った方が正しいかな。
告白し伝わらず、立ち聞きからさらに誤解、客観的に状況を把握し、気持ちが通う…。
38ページという読切の中にこれだけの山場を入れて上手くまとめているのは見事です。
ラスト、地味な朋子がやたらと男前に見えるのが素敵。


倉田先生は来年の初夏には単行本の発売も予定されているみたいなので楽しみですよ。

夏といえば… / 吉富昭仁


真冬だけど、夏だー!
吉富先生の突き抜けるように爽やかな夏の描写は、雑誌が真冬であっても良いものです。
吉富先生の裸足やスク水も素晴らしいですしね。


引っ越しを明日に控えた幼馴染の夏の過ごし方の話で、最後なので好きかもしれないと発言してしまうという。
ずっと一緒にいるのが自然だった関係だけに離れてしまう寂しさからの言葉かもしれないけど、そういう言葉が出るということは本気の気持ちもあるわけですよ。
言われた方も、「キスするのが違和感ない」と思ってる関係が良いですね。
最後の日に詰め込んだ”夏といえば…”を消化していくのですが、することが切り替わる度に恋愛方面の話も段階的に進んでいって、ラストに不意打ちがくるのがなんとも堪りません。


吉富先生も来年の夏に単行本が出る予定ですが、あとがきで「次号で夏ともお別れです」のコメントは次号でひと段落して、さらにその次は掲載されないってことなのかなぁ。