真・業魔殿書庫の2008年漫画5選【百合編】

今年も素晴らしい百合漫画に出会えました。
その中から面白かった作品を5タイトルピックアップ。


GIRL FRIENDS



GIRL FRIENDS/森永みるく(Amazon)
ミルミルム(作者サイト)
 →2巻レビュー


今年は「GIRL FRIENDS」!
友人になり、親友になり、好きになってしまい…という関係のステップアップが魅力で、描写も切なく愛おしい。
揺さ振りも上手いです。
同性だから、親友だから隠さなければならない気持ちが溢れてどうしようもなくなってしまい、その気持ちを否定するかのように彼氏を作ったまりの想いが切なすぎるのですよ。
まりの想いを知ったあっこの心理描写も見事で、連載分はかなり見逃せない展開になっています。来月は休載です。ああ、もう!

オクターヴ



オクターヴ/秋山はる(Amazon)
ホーム of 秋山はるのウェブページ(作者サイト)
 →レビュー


アフタヌーンで新連載として始まった時は、まさかの百合で驚きつつも喜び、面白くてまた喜んだものです。
上京して売れないアイドルを経て、地元に戻ったものの居場所はなく、また上京した雪乃を受け入れてくれたのは同性の節子だった。
そのまま節子と付き合うようになったものの、不安は消えていないのが面白いです。
節子の男性経験と、それからくる作品内に漂う男の影、昔の仲間の現状に、友人に恋人と紹介できない節子との関係などなど、雪乃の不安は尽きず精神はドロリとしているのが、「オクターヴ」の魅力でもあります。
連載は今月分で、予感されていた展開に突入し始めた感じで、すれ違いの末にどうなっていくのか。しかし、相手が予想外だなぁ。

ささめきこと



ささめきこと/いけだたかし(Amazon)
いけだの国(作者サイト)
 →3巻レビュー
 →2巻レビュー


可愛い女の子が好きな女の子を好きになった、カッコイイ女の子の恋愛。
恋愛対象外だからと伝えられない主人公の純夏が切ないんですよ。
他の女の子を交えての三角関係で、想い人の風間との距離は近づいたり離れたりしつつ、風間は純夏が自分を好きだと知らないことが読んでいてこんなにもヤキモキします。
風間も純夏のことが気になっていると思うんですが、風間のモノローグがないので本当のところでの内面が見えないのがまた面白さに繋がってます。

半熟女子



半熟女子/森島明子(Amazon)
アキココット(作者サイト)
 →1巻レビュー


森島明子先生初の1巻表記の百合単行本。
「女の子らしい」と言われるのが嫌いな少女が女子校で、竹を割ったような性格の少女に出会い、2人は惹かれていくというお話。
その2人の関係をごっこ遊びだと先輩に言われるのですが、その先輩は何人かの男と関係を持ちつつ、女教師に惹かれていく様が良いのですよ。
1巻はむしろ、主人公カップルよりも先輩×教師がメインとすら言いたいくらい良いです。
完璧な人間なんているわけがないのですが、半熟だからこそ相手に求めるような恋愛が魅力。

マルスのキス



マルスのキス/岸虎次郎(Amazon)
 →レビュー


彼氏のいる主人公が、仲良くなった地味な少女に惹かれていくお話。
地味ながら自信をつけて魅力的になっていく彼女に、素直でいたらそう成長したかもしれない自分を重ね、自分では釣り合わないと思う主人公が切ない。
大切だから、好きだから、気持ちを伝えることをせずにただ好きな人の幸せを願う百合が素晴らしいです。
恋愛としては悲恋だけど、こういう関係も掛け替えのないものなんですよね。



今年は百合姫以外の作品で面白い作品が多くあった印象です。
モーニング・ツーの「羣青」も単行本が出ていれば入れたいくらい面白いですし。