「少女ファイト」の面白さのひとつは人間関係にアリ。



少女ファイト(5)/日本橋ヨヲコ(Amazon)
特装版(Amazon)
週刊日本橋ヨヲコ(作者サイト)


良い漫画はじっくり読んでしまうもので、「少女ファイト」は新刊が出る度に気づくと1時間くらいかけて読んでしまっています。(このサイズなら普通は15〜30分)
それだけ好きなわけです。だって面白いんだもん。
とりあえず特装版を買ってきました。
まだCDは聴いていないのですが、エクストラトラックは「犬神鏡子と愉快な仲間たちのオールイブニングニッポン」とのことで気になりすぎます。
通常版はまた後日買うつもり。



さて、5巻の内容は付き合い始めた未散と学と、未散の元彼女の唯隆子とのやりとり、そして大阪遠征がメインどころ。
その巻にスポットが当たっているキャラが今のところ表紙になっていて、今巻は大阪遠征で抱えている過去にひとつの決着を付けた志乃が表紙となっています。
どちらの話にも学が絡んでいて6巻は出ずっぱり・・・というか、「少女ファイト」全編を通して出番が多いですね。
練はもちろん、所属チームである黒曜谷女子バレー部そのものが主役なのですが、もう一人の主人公は学なんじゃないかと感じてます。
個人的に学が一番好きなキャラだという贔屓目もあるのですが、部内でも一番練に近い友人で、
OGの知花に「(真理みたいに)強くなる気がするわ」と言われる成長フラグが立っている上に、トラウマや悩みを抱えて黒曜谷に流れてきた1年の中において心の芯が強くてチームメイトのクッションの役割をになっていますし。
とりわけ6巻は、まだ淡い恋心の恋愛状態にある未散、同じセッターのポジションを争う志乃との関係で出番が多かったわけです。



少女ファイト」は人間関係が濃くて、それが面白さの一因を担っているんですよ。
人間生きていれば過去があるわけで、その過去が濃い濃い。
濃度の高いトラウマや出来事から現在の彼女たちがあって、その過去は初めはわからないけれど少しずつ明かされていきます。
6巻では「八百長」と言われていた志乃の中学時代を明らかにし、志乃にブーイングをする大阪の人の認識を打ち砕くような形で払拭、志乃本人にも心の安定を持たせる展開なのが熱い。
もうすっかり悪役のイメージがついている黒曜谷ならではであり、イメージを全国区にする勢いなのが面白いです。
スポーツ漫画の主役チームはちょいと悪役な方がアクがあって面白いと思うんですよ。
女子1年では表紙になっていないのはあとはルミだけで、母親のことからくる幼い頃のイジメの伏線があるので近いうちに描かれるものと思われます。
ルミの両親のことも町蔵のことも「G戦場ヘヴンズドア」で知っているものの、ルミとの絡みは少ししか描かれていませんしね。



チーム内の友情・信頼関係が面白さであり、それは私みたいな百合好きには百合妄想をせざるを得ないものでもあります。
それぞれに気になる男性がいるのですが、それとは別に妄想を引き起こす濃くて強い関係があるんです。
6巻だと、どう考えてもルミと志乃。
前からコンビプレーをする関係からこの2人の絡みは多かったのですが、結果として志乃のためにキレるルミなど、志乃にスポットが当たっている今巻は見所多し。
他にはヘコんだ学に手を差し伸べる練とか、良いよね。


巻末に1年女子のプロフィールがあるのですが、これもまた面白いです。
各種項目がある中でも「好きな/苦手な異性のタイプ」が興味深い。
それぞれに好きなタイプの異性に惹かれているのですが、厚子だけ苦手なタイプの広之に言い寄られてるのが面白いですね。
この異性のタイプが、特に仲の良いチームメイトに通ずるものがあるのもまたニヤリとします。百合フィルターかかってます。
それにしても、ルミのカラオケで歌うジャンルが”電波ソング”なのに笑いました。周りの大人の影響なのかな。