百合姫の対抗馬になるか?芳文社より百合アンソロジー「つぼみ」発売!



つぼみ Vol.1(Amazon)


ついに発売されましたよ、芳文社からの百合アンソロジー「つぼみ」!
去年の年末に参加作家陣を見た時にはあまりの意外さ、豪華さに驚愕したものですが、今日は書店でその厚さにビックリしました。
300ページ超とは恐れ入った。
これで税込み1000円でお釣りがくるとは…!


参加作家陣は、

吉富昭仁
宇河弘樹
はっとりみつる
森永みるく
釣巻和
大朋めがね
きづきあきら+サトウナンキ
小川ひだり
水谷フーカ
久遠あき
星逢ひろ
泉結基
きぎたつみ
宮内由香
吉田美紀子


敬称略、表紙掲載順です。
大いに衝撃を受けたのが、普段は百合を描かれない作家さんが百合オンリーのこのアンソロに参加されていること。
きづきあきら先生はまさしく初の百合漫画だそうで。
宇河先生や釣巻先生も意外であり、好きな作家さんだけに嬉しいところです。



んで、「つぼみ」はVol.1で宇河先生の作品は「コブリアワセ 上編」だったり、きづき先生や釣巻先生の作品は「第1話」とあったりと、次が楽しみなのです。
Vol.2は2009年5月予定と告知があり、その参加予定作家陣もこれまた凄い。

玄鉄絢
天乃タカ
宇河弘樹
裏次郎
大朋めがね
小川ひだり
きづきあきら+サトウナンキ
関谷あさみ
ナヲコ
水谷フーカ
宮内由香
森永みるく
吉富昭仁


玄鉄絢先生が表紙とのこと。
百合姫でもおなじみの作家さんも多い中で、ビックリしたのが裏次郎先生と関谷あさみ先生。
百合描かれるんだ!
Vol.1でも、宮内由香先生や大朋めがね先生と成年漫画で活躍されている作家さんの百合というのでビックリしたのですが、何というか芳文社の編集は侮れないと思いました。
Vol.1の宮内先生の作品は再録とのことですが、私は読んだことがなかったのでむしろ読めて嬉しかったです。Vol.2以降では新作も読みたい。
私の中ではすっかり百合のイメージですが、森永先生やナヲコ先生も成年漫画を経てらっしゃいますし、「つぼみ」はそういった作家さんの方面にも強いのかもしれません。


あとは、読んだ感じコミティアっぽい空気を感じました。っても、そこまでコミティアのオリジナル同人誌読んではいないのですが。
パッと見た感じ、商業BLも描かれている作家さんに思い当たらなかったというのもあるのかもしれません。
まぁ、これは私の個人的な印象ですけれども。

ピックアップ感想

個人的に特に好きなのは、きづきあきら先生と水谷フーカ先生かな。


きづき先生の漫画は、好きと嫌いは紙一重という感じが良かった。
前々から度々、愛憎、特に憎悪も百合に成り得ると思っているのですが、まさにそんな感じ。さすがです。
嫌いだと意識しているからこそ目が離せず、ふと裏側、柔らかい部分を見た時にそのギャップに毒気を抜かれてしまうという。
第1話表記があるので次回が楽しみです。



水谷フーカ先生の漫画は、診療に行ったら片方だけ靴を間違えて履いていかれた話。
そこから何度もすれ違いを経て、顔も知らない相手を意識しだすというもので、相手が見えないが故に想像を巡らせて、相手も同じように思っているっぽいのが良かったです。
相手が目の前にいないという点では、釣巻和先生の漫画も近いかも。
留守番をしている少女が主人公で、色々なものや事柄に店の主人を思い出すという。
直接目の前にいなくとも、感情の揺れ動きが醍醐味なんですよね。


他には、森永先生はファンなのでもちろん良かったですし、宇河先生は導入も導入ですが好きな作家さんなので良かったです。
大朋めがね先生の漫画は、片方の彼氏がムナクソ悪い男ですが、それがむしろ引き立て役となっている感じですね。



何はともあれVol.2は5月ということで、もしかしたら季刊ペースになるのかな?
そうすると実質的には百合姫の対抗馬になるわけで。
芳文社には百合雑誌を出して欲しいと常々思っていたのですが、是非とも定期刊行化して欲しいものです。