戦ってきた相手の情熱も一緒に連れて行く! - ちはやふる(4)
「ちはやふる」4巻の表紙は新、初めての千早以外のキャラであり男性ということからか、緑が鮮やかな初めて青味の入った表紙が目を引きます。
デザインでは4冊中1番好きかもしれません。
それくらいのインパクト。
内容もインパクトのある展開が…と思いましたが、毎巻のように、そして毎話のように見せ場があり、そして何より面白いんですよね。
4巻は都予選の決勝からで、千早たち瑞沢高校かるた部は勝利します。
仲間たちとともに近江神宮へ。
千早と太一をかるたの世界へと誘い、遠く福井の地元へと行ってしまい、一度はかるたから離れてしまった新へと続く切符を手にしました。
「ちはやふる」はかるたへの情熱溢れる試合が熱く面白いのですが、太一が再びかるたに向き合う時の師匠とのやりとりなど試合以外も面白くて、今回の優勝後の話もすごく面白かったのですよ。
優勝して喜ぶのはもちろんのことなのですが、優勝常連校・北央のヒョロくんの叫びと涙を見て、優勝したということは他校をなぎ倒し踏み潰してきたことだと千早は感じて悩む、このエピソードが良かった。
正々堂々戦って勝ったのに、「ポッと出の自分たちが全国大会に行っていいんだろうか?」と思うのは戦ってきた相手にも失礼なこと。
そういうことを考えてしまっている千早に、ヒョロくんが北央が集めてきた全国大会のデータを託されていたと太一が明かすところなんて最高ですよ!
東京の代表として、戦い、倒してきた東京の高校の想いも連れて行く、なんてさ!
4巻の他の見所として外せないのが、現クイーンとの初遭遇の場面。
一言も言葉を交わさないどころか、視線も交わしていないすれ違っただけなのですが、圧倒的な存在感のある演出がなされています。
すれ違っただけで頭痛がする千早、という演出はオーラとかプレッシャーとかそういうものもあったのかもしれませんし、超常現象的なものは全く関係ないただ体調不良の伏線としても機能させているのが上手いと思いました。
連載では対クイーン戦も決着し、試合後の話も含めてやはり面白いです。
毎回のように先が楽しみでならない漫画であり続けているのはすごい。
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