アメとムチで弟を教育する、暴走姉コメディ - あねとむち



あねとむち/春日旬(Amazon)
PONCHO MOJAH(作者サイト)


メガネで巨乳で年上で美人なお姉さんが嫌いな人なんていません!
春日旬先生の「あねとむち」の九条愛はかなりぶっ飛んだ姉でホレます。こんな姉がいたら困るけど。



「あねとむち」はその名の通り、アメとムチを持った姉が弟を教育するコメディ漫画です。
父が金を騙しとられて蒸発し、貧困に喘ぐ九条家において、姉の愛は弟の友樹を騙されないようにと教育します。
ありとあらゆる所にツッコミ所満載な嘘や仕掛けを仕込み、見破れればご褒美にアメ、見抜けなければ罰としてムチでシバく。
それが「あねとむち」の基本的な流れ。



姉の愛が不条理にして理不尽、さらには妙なカリスマ性を持っていて惚れ惚れするのです。
初登場が裸エプロンにアメとムチを持って、お魚咥えたドラネコを裸足で追いかける”、それを見た友樹の思ったことが「ええい!姉ちゃんの奇行はいつものこと!」ってんだから、どんな姉かうかがい知れるというもの。
裸エプロンの理由も「不倫関係にある課長を寝取られ、嫉妬し、魅力的な姿で取り戻すOL」という設定に基づいたものらしいのがアレです。


学校でも生徒のみならず、教師の信頼も厚く…いや、妙な術、そうチャームの魔術でも使っているかのように愛の前に行くとメロメロになってしまう描写があるあたり、謎の多い姉なのが読者であるこっち側の私も虜にしてやみません。
携帯の代わりに鳩を使うし、他人の犬を手なづけて移動手段に使ったりと素敵すぎる。
こんな姉ですから、弟を人前でムチでシバいても「愛のムチだろ」とか「愛さんは弟想いだ」とかで片付いてしまいます。
アメは美味すぎるくらい美味いらしいですし、このムチなら1回は叩かれてみたい。でも、こんな姉がいたら困るけど。



姉の奇行でハイテンション、弟は恋愛絡みになると中学生レベルに自意識過剰になってハイテンションといった、アッパーな賑やかさが読んでいて楽しい。
姉の不条理で理不尽な罠のアレさも楽しく、学校からファーストフード店のバイトに行くのに何故かボンテージ(しかもクラスメイトは誰もツッコまない)などのコスプレも目の保養です。
描き下ろしにコスプレギャラリーがあるのですが、それの1コ目が制服なのはどうなんだ。学校では常にコスプレ扱いなのか。
そういえば、姉の下着以外の私服姿はないような…。


それでいて家族想いなのも良いです。
弟に心配された時に、口では心配ないと言いながらアメをぶつけるという反応がギャップで可愛い。
メガネを外すと本当に可愛い。
こんな姉がいたら困るけど、一緒にいたら楽しいだろうなぁ。