「そふてにっ」は素でおかしな部員のソフトテニス漫画。まともな試合してません!



そふてにっ(1)/あづち涼(Amazon)
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そふてにっ」はブレイド本誌で読んだ時に、一発で好きになった漫画です。
そのタイトルの通りにソフトテニスを題材とした作品で、ひらがなの略称から連想されるようにゆるい部活漫画。


ゆるい…というか、良い意味でぬるいというか。
もちろん熱血スポ根漫画ではなく、新しく編み出される必殺技…はあるな。
嵐のような試合…部内試合だけどあるな。
お互いに認め合うライバル…いるな。
あれ?



主役となる白玉中ソフトテニス部は女子4人と男性顧問1人の部活です。部員少ないな!
しかしながら、人数が少なくても個性豊かすぎます。
主人公の春風明日菜は、1話でドジっ子の才能を開花させ、何かとエロ妄想に繋げて考える性格。自分もエロ妄想の餌食になります。
熱血少女の沢夏琴音は、家が空手道場なせいかスポ根ノリが好きで、シチュエーションを勝手に設定して酔ってたりします。
無口な冬川来栖は、何を考えているか良くわからず、被り物をして生活してたり、登校前にハリウッド(現地で直接交渉してた)からよく何かを個人輸入してたりします。


そして何より、唯一の3年で部長の秋山千歳のキャラが良すぎます。
メガネにおっとり目な雰囲気という文系な印象で、全国制覇を口に出しつつも1回戦負けの実力。ボールを打ち返すことすらままならないよ!
そんな千歳の真価とは…食いしん坊キャラです。
乳牛から乳を盗み絞り、大福に似ているという理由で新品のボール全てに歯型をつけ、お腹が空いたからとオオサンショウウオを捕獲するステキなメガネっ子。
オビのコメントにもなっているように、オオサンショウウオには裸で跨るアグレッシヴさ。
こういうギャグ漫画はキャラの個性が重要だからね。これはキャラが立ってます。



キャラの個性だけでなく、話のシチュエーションも結構面白いんですよ。
前述の必殺技は足にラケットを縛りつけて蹴りの力を活かす技(反則です)だったり、嵐のような試合はあらゆるものが飛ばされている本物の嵐の中での試合だったり、ライバルとは幼児向けのアトラクション的なテニスコートで試合したりしてます。
まともな試合なんてないや。
素で変なキャラ達が、ちょっとおかしなシチュエーションで、しかし本気で取り組んでいるのが楽しい漫画です。