恋愛未満、片想い、両想いに至るまでの感情が、百合アンソロ「つぼみ」vol.2に詰まってます



つぼみ vol.2(Amazon)


「つぼみ」のvol.2、読了しました。
百合分を十二分に補給できて幸せ。百合分=幸福感なんだ、きっと。


「つぼみ」というアンソロ(というか雑誌)だけあって、恋に至る前の感情や、同性への恋心の自覚、女の子が好きな女性であっても両想いとして気持ちを確認しあってはいない話が収録されており、まさに”つぼみ”というべき内容ですね。
もっと百合度が上がってもいいなぁと思いますが、このつぼみな感情が本としてのコンセプトならばズレるのかも。
何にせよ、個人的には「つぼみ」の雰囲気がツボで大好きなのでこのまま末永く刊行して欲しいものです。

アンケートハガキ搭載

今回はアンケートが付いていると聞いていたのですが、ハガキ付いてないじゃん!
よく見たら、切り取り型なんですね…。
切り取れない人はコピーでも可、とあるんですがコピーも開き癖がついちゃうのでデジカメで写真取ろうと思います。いいよね…?


設問2で「コミックス化して欲しい作家さんは誰ですか?」とあるので、続き物の単行本が出るくらいには「つぼみ」自体の刊行予定があるだろうと少し安心。
やだなぁ、全作家さん出て欲しいに決まってるじゃないですか。


設問3が「カバーイラスト、百合作品を読みたい作家さんは?」なワケですが、「つぼみ」の執筆陣を見る限りかなり意外な作家さんでも可能性があるという希望が持てます。
ちなみにvol.3の作家さんはこんな感じ。

秋★枝
井ノ本リカ子
宇河弘樹(+表紙イラスト)
大石まさる
大朋めがね
きづきあきら+サトウナンキ
久遠あき
玄鉄絢
ナヲコ
堀井貴介
宮内由香
森永みるく
吉冨昭仁

大石まさる先生だと…?
う、嬉しいいいい!うわあああ!!!


雰囲気や話の内容も、自然の中の人間の描写などなど大好きで、自分にとって好きすぎる作家さんだけに、意外すぎて嬉しくておかしくなりそう!
「りんりんD・I・Y」でりんちゃんとカリンの関係を友情百合として読んでいたものの、百合を描く方だとは思っていなかったのです。
これが芳文社の本気か…!



秋★枝さんは同人誌での百合作品はお馴染みですが、これが商業初の百合作品になるのかな?
遂に、という感じですね。こちらも嬉しい。


んで、百合姫でJunk-labの竹宮ジンさんがデビューしているのですが、相方である楽玩の堀井貴介さんが掲載とはわかってらっしゃる。
vol.1・2と掲載の小川ひだりさんもコミティア作家さんですし、ティアは実力がある作家さんが多いので良い流れだと思います。


ナヲコ先生は今回はカラーイラストのみだったのですが、次回こそは漫画を読みたいです…!

vol.2の雑感諸々

宇河先生は今回が「コブリアワセ(後編)」ということで前後編終わったのですが、次回も掲載で安心、嬉しい。しかも表紙も!
「コブリアワセ」は描写の濃度が高くて面白かった。



表紙といえば、vol.2は玄鉄絢先生の表紙が素晴らしい。
赤を基調とした服に背景の鳥居、青い傘が映える。
裏表紙は表紙の時間的に後のものになっているのですが、これがまた良かったです。百合的に。
玄鉄先生の漫画「星川銀座四丁目」が、少なくとも10歳以上の歳の差えあり、年上の方が依存してるのが堪らんものでした。
気持ちの確認しての終わりも良いですし、さすがです。



歳の差といえば、水谷フーカさんの「オオカミの憂鬱」も年上が小学生くらいの女の子に翻弄されてメロメロになる話で良すぎです。
カッコイイ女性が、ミイラ取りがミイラになるが如く、逆に夢中になるのが良い!



小学生の女の子といえば、vol.2は関谷あさみ先生、宮内由香先生、裏次郎先生と、LO作家が3人いるという凄いことになっていて期待していました。
三者三様にそれぞれ方向性が違っていて面白かったです。
裏次郎先生は吉富先生に劣らぬフェチっぷりを発揮していて、脱帽。犬耳だけでなく首輪とか!
関谷先生と宮内先生の漫画は、やはり話が面白くて満足度が高いです。
関谷先生の漫画は姉妹百合なのですが、同化願望もあるというのがよろしゅうございました。
宮内先生の漫画は、今回5本の指に入るくらい好きかもしれない。
幸福感のある話ではなくて、むしろ嫉妬という人を好きになることの闇が前面に出ていて。
好きな人の幸せが祈れない、恋は両想いじゃないならそういう感情が大きくなるよね。



心の闇という意味では、嫌いから好きへと裏返るような感情を描いているきづき先生の「エピスさんとホテイさん」も面白かったですし、感想を語りだすと止まらないので今回はこのくらいにしておきます。
いやもう、vol.3が待ち遠しい。