楽園 Le Paradis

楽園(公式サイト)


1本残らず読了致しました。感無量。
まず、飯田編集長にお礼を言いたいです。創刊してくださってありがとうございます。素晴らしいお仕事です。


誌面から漫画愛が伝わってくるかのような雑誌でした。
メロディやフィーヤン、エロエフなどが好きな私のような漫画の趣味・好みの方は絶対に楽しめるかと思います。
売野機子さん、鬼龍駿河さん、竹田昼さんの作品は初めて読んだのですが、それ以外の作家さんはどなたも前から好きな作家さんで、個人的にはとてつもないヒットなのです。
黒咲練導さんはフェチという意味合いでやはり素晴らしく、しかしながら「楽園」においては異色で、いや、それがむしろ魅力となっています。
が、やはり私にとっては、シギサワカヤさん、日坂水柯さん、二宮ひかるさん、宇仁田ゆみさん、中村明日美子さん、かずまこをさん、竹宮ジンさん、西UKOさんの作品が琴線に触れていて、これまでの商業・同人で発表された作品もそうなのですが、「楽園」に掲載されている作品も、読むと幸福感とわずかに何かが心の中に足りないと感じられる作家さんばかりなのです。
自分で感じたこの読後感が言語化できないでいたのですが、「恋愛」をテーマに「恋愛欲を刺激する」と銘打たれたこの「楽園」でようやくわかりました。
読むと恋愛したくなる衝動にかられる、そういう作品、そういった作品を描ける作家さんが私は好きなんだ。(もしくは、恋愛に絡んだ事柄で心を不安定にさせる程に揺さぶられる作品を描かれる作家さん)
他にもそういう作品を描かれる作家さんは多くいらっしゃるのですが、1冊にこれだけの密度で読めるのはそうそうありません。この充足感。


百合好きという面では、竹宮ジンさん、西UKOさんは百合を描かれると期待しており、実際そうで面白かったのですが、明日美子さんが予想外に百合であったのが嬉しいのです。
2人だけのカップルの話ではなく、メインは2人ですが4人の人物が絡むお話だったのがまたよろしゅうございました。


結婚を経た人であったり、血縁であったり、同性であったり、痒い所に手が届く充実度で、とりわけ表紙と58Pのボリュームで掲載されているシギサワカヤさんの「あなたさえいなければ。」が良かったです。
クールビューティーに、感情をおかしくさせる程に溺れてしまう恋愛、依存してしまうことへの恐怖、まさかの落差。
最後の方に載っていることもあって、トドメをさされた感すらありました。


これで第1号なのですよね…
次号は沙村広明鶴田謙二参戦とあって、待ち遠しくも楽しみすぎて怖い。