へうげもの(1)

へうげもの(1)/山田芳裕

新刊で読了していて丁度良い本がないので、少し前の本ですがコレを。


信長の時代を古田佐介という武将を主人公として描いた作品。
私は戦国時代や日本史に明るくないので史実がどうなのかわかりませんが、このマンガ内では主人公の佐介という人物は”名物”に対する物欲の強い数奇者として描かれています。
とはいえ、作品中では千利休をはじめ史実に名を残す人物も多く数奇者として登場しますので、佐介が特別変わった人物というわけではありません。
が、他の登場人物に比べるとやはり数奇者寄りに描かれているのが主人公ですかね。
佐介の信長に武将として忠誠を誓いながらも”名物”に目が眩み、武将と数奇者の間で葛藤している様が描かれています。


今までの歴史モノにはない斬新な切り口で描かれており、思想・言動・服装など既存の作品とは一線を画しています。
少なくともこの作品の信長のイメージは私の持っていたイメージとはかなりズレながらも、確かに信長ですし確かに歴史モノとしか言いようの無いデキです。
登場人物がかなり俗っぽく親近感が沸くような人間味を持って描かれていて、キチンと武将として活躍しているからでしょうか。


絵柄が苦手でなければ十二分に楽しめること請け合い。
既に各所で度々紹介されていますので面白さは保証済みです。


本誌では、本能寺に突入しはじめておりこの先も目が話せません。