もやしもん(3)



もやしもん(3)/石川雅之(amazon)


農大を舞台に菌が肉眼で見える主人公が活躍…しない漫画。


普段利用する書店・コンビニに、イブニングが置いていないことが多く、置いてあったとしてももやしもんが休載だったりすることが多いため連載はほとんど追っかけていません。
でも、雑誌掲載文を全く読んだことがないわけではないですよ。


バトルもなく、恋愛要素もなく、あからさまなギャグ漫画でもないのにこの面白さはどうだ。


読んでいて登場人物たちが所属する組織に入りたいと思わせるような系統の漫画でしょう。
ゆったりとした雰囲気、農大という普通の生活では触れることない樹研の日常。
「菌」に対する知識や興味などなくとも問題なく楽しめますし、
酒や発酵食品なども取り扱うため、その点身近に感じ興味深く読めるというのもあるでしょうか。


欄外に注釈やらコメントやらがあって、これが非常に良い。
これは作者が書いているようで、掲載時と全く同じではないにせよ「これがないともやしもんじゃない」とさえ思えるくらいです。
キャラ紹介や、薀蓄やら作者近況、はては書店・読者向け情報などなど。
シュールストレミングの話では、実際に石川先生が食べた経験をもとに書かれているとのことも欄外に書かれていたり。


主人公・沢木が菌を肉眼で見れるという設定により、
普通の絵柄の中に落書きにも見える「菌」達が混在している独特の雰囲気がまたいい味を出している。
とはいえ初期に比べ、3巻では人間メインの話のときはあまり菌が描かれていないのが残念。
人間メインと菌メインを分けてしまっているのでしょうか。
女性キャラの描き方に比べて、多くの男性キャラが菌の描き方に近い適当さも味があって良い(笑)


3巻になっても主人公の沢木の影が薄い薄い。
実質、樹教授・長谷川・美里・川浜・武藤の5人がいれば話は回せると言っても過言じゃないような感じ。
このキャラ達の個性が強いというのもあるのですが、沢木の性格がイマイチ掴めていないのと菌が見える設定を活かしきれていない展開なのが原因かと。
葉月もあまり活躍していませんし、一年の活躍は蛍という伏線にかかってると個人的には思っています。


初登場の日吉酒店の娘。ゴスロリです。

沢木と出会った所で次巻へ持ち越し。
遂に見せ場があるのでしょうか?
作者としてはゴスロリは(多分描きにくいから)うんざりとのことなので不安ですが…
私はゴスロリ好きなので期待しています。
メイドさんも好きですし、フリルが好きなのかもしれません。(それだけで好きなわけではありません。どちらも。)


関係ないですが、初めは読んだ印象でアフタヌーン的な漫画だと思いました。
そう思っていたら今月のアフタヌーンに載ってるし(笑)



もやしもん(3) (イブニングKC)

もやしもん(3) (イブニングKC)