ガッチャガチャ(7)
「Honey」以降の作品しか読んでないですが結構好きなのですよ、橘裕先生の漫画。
「Honey」ではメインキャラが無条件でまわりに好かれていたり、色々と微妙な部分があるのは否めないですが、その点で「ガッチャガチャ」は一癖二癖あるキャラばかりで楽しめるものとなってます。
可愛いけどひたすら男運がない主人公・友里、強く格好良いが中身はオッサンみたいな狂犬のような女・素子、女癖が悪くチャラチャラしているが実は結構マトモな男・矢部、品行方正質実剛健な優等生だが結構根暗な平尾、の4人を中心に展開するラブコメ。
現在は素子と矢部に関わるキャラ・可菜子が加わって、5人が中心。
あとがきで作者が「みんな不幸になればいい」とか言っている漫画だけあってキャラの苦労は多いかと。
ヒロインが好きな男と付き合えたかと思えば、数巻でフラれたりしますし。
主人公は友里なのですが、とにかく素子というキャラがメチャクチャ。
女が好きな女子高生ですが、百合とかレズとかそういうものでなくてオッサン的な好きであり、私服姿が男に見えて女性を助ける場面が多くパッと見は美少年。
口が悪く、そこらの男よりもケンカが強い、という奔放に生きているキャラです。
ポジションとして主人公を喰ってます。
7巻は一冊を使って、本来なら主人公の親友(?)な立ち位置である素子の掘り下げ。
完全に主人公を喰っています。
単行本の前半では、中学時代の素子と素子と似た部分があるクラスメイトとのエピソード、後半では、亡くなった両親に関わるエピソード。
前半のエピソードでは、自分に百合フィルターがかかっているせいか、周囲から浮いた感覚をもつ二人の少女に百合的なものを感じずにはいられません。
ま、男が絡みますけど。
後半のエピソードでは、親族の誰にも似ていない素子に外国人の血が流れているのでは、と出生に疑惑を持たれ、イギリスから弟と名乗るキャラが表れる話。
家族の絆を確かめるエピソードという意味合いがあるのでしょうけれど、血の繋がりが云々とか見た目が似ててどうとか言ってたのに、あのオチはどうかと。
女性キャラがバイタリティに溢れており、前向きに展開されていくのが良いかと。
男キャラの設定というか描かれ方に抵抗を感じるかどうかが、好き嫌いのポイントになる漫画だと思うですよ。
- 作者: 橘裕
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2007/04/05
- メディア: コミック
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