邪眼は月輪に飛ぶ



邪眼は月輪に飛ぶ/藤田和日郎(Amazon)


藤田和日郎先生がスピリッツで短期集中連載されていた「邪眼は月輪に飛ぶ」の単行本が発売。
藤田先生が青年誌に連載との告知が出た時には、大いに驚いたものです。
毎週毎週、次号が楽しみでした。
それなのに、書店で見かけるまで単行本の発売を知らなかったなんて!
自分にショック。


「見たものは死ぬ」邪眼を持ったフクロウ・ミネルヴァ。
猟師の鵜平はミネルヴァを打ち落とすが、横から入ってきた米軍にミネルヴァを生け捕りにされる。
13年後、ミネルヴァは輸送していた米軍空母の乗組員は全滅させ東京へと飛び立つ。
多くの人間が死んだ東京に、米軍の要請を受けた再びミネルヴァを撃つため鵜平が立つ-----


あらすじはこんな感じ。



一冊にまとまって読むと一度連載で読んでいるにも関わらず、やっぱりワクワクしてのめり込みページを捲る速度は速くなり、展開に熱くなる。
ベテラン作家さんの短期連載や読み切りは、やはり面白い。
引き伸ばしや打ち切りといった不確定要素にとらわれず、構想したものに近いものだからだと思うのですが、ことこの作品に関してはあとがきで書かれているように、当初全5回の最終回のネームを40ページのところ70ページ描いて全7回になった熱さがあるから余計に面白いんだろうなぁ。


藤田先生の漫画は青年誌向きだという声がよく聞かれ、私も青年誌向きだと思いますし、鵜平という爺さんを主人公に据えたこの作品は紛れもなく青年誌向きでしょう。
が、少年誌の熱さが根底にあるように感じられてならない。
それが展開によるものかもしれませんし、後半のメインキャラ4人の真っ直ぐな熱さによるものなのかもしれません。
今後も少年誌の連載と、青年誌の短編をして欲しいと思うのでした。



邪眼は月輪に飛ぶ (ビッグコミックス)

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