「男の子のための次世代ガールズコミック」コミックエール発売

「男の子のための次世代ガールズコミック」と銘打った「コミックエール」の創刊号が発売になりました。
まんがタイムきららキャラットの増刊で、季刊発行みたいです。

男性向け少女漫画という位置付けと思って良いんですよね。
読んだ印象として、例えるならシルフをコミックハイやアライブよりにしたようなイメージ。
結構好きだなぁ。


いくつかピックアップして感想をば。



純真ミラクル100% / 秋★枝


新設の芸能事務所を独立して立ち上げたやり手の女所長の前に、社員がスカウトしてきた路上で歌っていた女性アーティストが表れます。


高杉所長は仕事が忙しく男と付き合っても保たずフラたばかり。
スカウトされてきた木村綾乃は、女の子らしくて男が好きそうな女の子。
綾乃を見て苛立ちを覚える所長ですが、彼女の傷ついた表情を見てゾクゾクとして楽しい感じを覚えるのでした。


そんなSっ気たっぷりの所長は、綾乃を貶めてどん底の表情を見るために歌番組の出演者にねじ込み、恥ずかしい衣装で出演させる、と。


純真な女の子をどん底に落とそうとして、涙を浮かべてゾクゾクしてるなんてなんちゅうキャラか!
所長を通して見ているからか、恥ずかしがる綾乃を見てなんかゾクゾクします。
プヨンとしたお腹が衣装から出ているのが、可愛く思えてしまう。


とこんな展開ですが、雰囲気がポップなことと、綾乃が結果としてプラスの評価をされているのでドロドロした雰囲気もなくて良いなぁ。
「初恋クレイジー」で秋★枝先生の作品に初めて触れたのですが、今後はチェックしていきたいと思います。



■月-moon- / むんこ


らいか・デイズ」特別編です。
「月のモノ」の話で、明言されていないのが良いです。
しかしまぁ、らいかの性徴に読んでいて戸惑ってしまった。
こういう時間の経過を感じさせるものは、ないだろうと思っていただけに余計。



■あまだれ! / コダマナオコ


脱オタして高校デビューしようとしている主人公。
連行されてついた謎の部活、「あまだれ部」は部室内でBLのCDを流すようなオタク系の部活でした。
そして部員は女子のみ。


萌える外見の少女に、「萌えない」だの「のびた眼鏡」だの言われ、少し扱いが良くなったと思ったら彼女達からの扱いが「受」に昇格しただけとは不憫な。


オタクをメインにした漫画が掲載されていることで、この雑誌の立ち位置を暗に示しているような気がします。



■リスランタンプティフルール / さかもと麻乃


女子高を舞台、選ばれた生徒、憧れの中庭、とか百合妄想せずにはいられない。
コミュニケーションを上手く取れない少女が、嫌われていたと思っていた相手に嫌われていなかったと知った時の表情と言ったら!
コンプレックスを持っている少女は魅力的ですよね。



■リトル・リトル / ろくこ


セリフ無し漫画です。
病弱な少女の前に、妖精(?)が表れて小さな幸せをくれる漫画。
ゆるゆると和む雰囲気が良いです。


■背伸びして情熱 / 仙石寛子


女教師を好きになった男子生徒の告白から始まる4コマ漫画。
萌え系でない4コマ誌に載っているような雰囲気の4コマですね。
困らせると分かってて「意識させたくて告白したんだ」とか、やるせないやね。



■溺れるようにできている / シギサワカヤ


シギサワカヤ先生の「箱舟の行方」が凄い好きなのですが、この漫画も良かった。


8つ年上で東京で社会人をやっている幼馴染の男・圭ちゃんと、大学生の佳織の恋愛話。
佳織は玉砕覚悟で告白、恋人になったという二人です。


初めて告白したインドアな佳織が、彼の”特別”になり、本当に好きになったことで、夢や幻想でなく決定的にリアルになって不安になるというもの。


適度にドロドロしていて、それでいて読んでいて恋愛したくなる要素もあって好きです。
オチも妄想が膨らん仕方がないですわ。


【既刊レビュー】箱舟の行方



■関連
男の子の為の少女漫画コミックエールが発売です!MOON CHRONICLEさん
最近の漫画雑感DAIさん帝国さん


箱舟の行方 (ジェッツコミックス)

箱舟の行方 (ジェッツコミックス)