環水惑星年代記



環水惑星年代記/大石まさる(Amazon)


水惑星年代記」、「続水惑星年代記」に続くシリーズ3冊目「環水惑星年代記」が発売になりました。
このシリーズ、大好きです。
大石まさる先生の作品が好きすぎる。



この漫画は、近未来の地球=水惑星を舞台としたSF読切り連作集。
SFといっても、宇宙に進出をしている時代であくまでも”日常の延長としてのSF”であり、ゆったりした雰囲気の漫画です。
地球は海面が上がっているのか、建物が水没し、キラキラと光る水面と太陽が美しく、まさしく”水惑星”。
冬は雪が積もり、夏は泳ぎ、田舎を彷彿とさせる風景を自転車が走る---
そんなノスタルジーを感じさせてくれる柔らかさと、SFな要素が同居しそれが絶妙に合っています。
柔らかさは、トーンを多用しない絵柄、読み手の中にある子供心に触れる描写によるものがありますね。
だからこそ、外を駆け回って遊んだ経験があり、その記憶を持ち懐かしさを感じられる大人が一番楽しめるでしょうね。



「環水惑星年代記」では、SF要素が前の2冊に比べ多いですが、その根底にあるものは変わりません。
登場人物が、自分のやりたいことを見つける為の行動や、諦めない姿勢だったり、特別なことではなく当たり前の日常と言えるもの。
彼らは前向きな気持ちで行動したり、前向きな未来を見つけます。
それを読むと、前向きになれます。
やっぱり大好きな作品だなぁ。



この漫画は読切り連作集です。
読切りの中にもシリーズとなっているものもあれば、同じ”水惑星”を舞台とした連作なので全ての世界はリンクしています。
「環〜」収録分では「ムーン・シード」で2巻で活躍したフィオナの両親をメインとした話があったり、「CROOQUI'S」の主人公と「妖精彼れ時」の主人公が同じクラスの友人だったり。
そういう風にキャラが登場するのを見たり見つけたりすることに、ニヤリとする私には堪らんものがありますよ。



うーん、本当に好きな作品なので、読み込んで各話の感想を書きたいなぁ。



■既刊レビュー
続水惑星年代記


環・水惑星年代記 (ヤングキングコミックス)

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