魔法女学園百合漫画、完結 - 魔法使いのたまごたち(3)



魔法使いのたまごたち(3)/石川マサキ 原作:雑破業(Amazon)


完結巻発売。
そして、展開から見るに、多分打ち切り終了です。



この漫画は、魔法使いの素質がある少女に魔法使いとしての勉強を受けさせる女学園の話。


この学園は全寮制で、2人部屋。
全生徒は指輪を持っており、この指輪を交換し「リングメイト」と呼ばれる関係になった2人が同室になります。
リングメイトはどんな状況でも助け合う関係。


この学園に入学した新入生6人が、学校側の寮の事故と6人の入学式遅刻でオンボロな別館で暮らすことになります。
会った当時は、当然のことながら相手のこともわからず、衝突も多くあったものの、無事全員がリングメイトが決まりそれぞれのパートナーと同室で寮生活と学園生活を送るのでした。



女学園で”友達を超えた特別な友達”という設定に、百合を期待しないわけがありません。
2人のペアが3組。
それぞれにそれぞれの関係があります。


天然田舎少女と、ワケ有りの女装少年。
関西人気質で勝ち気な少女と、自分に自身がなく自分の居場所を見つけられない少女。
わがままなお嬢様と、おとなしい少女。



リングメイトが強い絆を育んでいく過程を描いているので、当然のように友情描写があります。
一番上の組は別として、他の組は百合といえる関係を見せてくれます。
2番目のサラ・フランチェスカ組は「自身の持てないフランチェスカを前に進ませる」というような友情。


3番目のエリザベス・チェルシー組はもうガチですよ。百合ですよ!


初めはお嬢様で自尊心の高いエリザベスが、自身の置かれた状況やチェルシーを疎ましく思っていたのですが、行動を共にすることで”特別な友達”に変化してきます。
そんなエリザベスにチェルシーはベタベタ。
チェルシーの友情はどんどんエスカレートしていっており、明らかに友情を超え、最終回でも他の4人に比べて見せ場が優遇されている気がします。
3巻の巻末なんて、ガチ過ぎて吹いた。
もう、幸せになれよ!という感じにニヤリングが止まりません。



惜しむらくは、終盤の展開が急すぎること。


基本は生徒間、特にリングメイトが絆を深めていく日常をのんびり描いていく漫画。
他に、学園側に目的がありそれが初期の段階で伏線としてあり、それを解決することが終盤展開としてあります。


各組が本当の意味でパートナーになるキッカケを経験して、絆を深める出来事を重ね始めたところに、突然の急展開。
初期に張ってあったきりだった伏線を、ラスト3話で一気に消化。
その後も普通に続けられる展開ですし、急展開になる前に上級生ペアが話に絡んだり、女装少年の伏線が消化されてなかったりで、ここでの終了は残念だなぁ。



魔法使いのたまごたち(3) <完> (シリウスKC)

魔法使いのたまごたち(3) <完> (シリウスKC)