黒い瞳の魔女 (百合姫S VOL.2)

黒い瞳の魔女 / 袴田めら (百合姫S VOL.2


事後ですよ、事後!!!



先輩に恋する一年が告白して、「そういう趣味ないんで」から始まる話。


告白されて初めて”女同士の恋愛”を認識した先輩。
文化祭の打ち上げで酔って休んでいたところへ後輩がやってきて、「考えたこともなかった」と伝える先輩。
それは「趣味じゃない」ではなく、「考えたことがない」が正解。



個人的な「百合≒レズ」の線引きのひとつとして、「女だからあの娘を好きになった」はレズで「あの娘だから好きになった。女だから、男だからは関係ない。たまたま女だった」は百合だという持論があります。
勿論、私の中でもコレが線引きの全てではないですが。


で、この話はその辺りに関わってくる部分があると思うのですよ。


「趣味じゃない」は性別ありき。
「女だから恋愛対象にならない」という返答に対し、「考えたことがない」は考えた結果によっては恋愛対象になり得る。
この考える内容は”告白してきた娘”のことであり、その娘ありき。


で、終わり方が終わり方だけにニヤリングが止まりません。


あと、「深い色の目」と「闇 出口のないトンネル 夜の海」と、酔って横になって「沈んで暗いところへ引っ張られていく」感覚は、暗示的に連想させられるものとなってます。
これは、言い方は悪いですが「ドツボにはまる」、つまり「同性の後輩との恋愛を受け入れていく」のメタファーになっていると思います。
そして横になって感じた「でも気持ちいい」がもう、ね。



■ブログ内「百合姫S VOL.2」の総合記事
萌え寄り、直球な百合雑誌「百合姫S」VOL.2が発売!