sketch (百合姫S VOL.2)

■sketch / 吉富昭仁 (百合姫S VOL.2


前号の「SUIKA」も相当にクオリティの高い百合作品でしたが、今回も凄い面白いな!
この短いページ数の中に詰まっているものが尋常じゃない。



主人公の咲が友達*1の梨香の絵を描くことになる話。
梨香が咲に「自分の絵を描いて欲しい」と言った理由は「好きな人にあげたい」から。
咲の認識では「梨香は、女たらしの戸川先輩(♀)と付き合っている」。



梨香の「たくさん描いてもらいたい」、咲の「女の子同士ってどんな感じなんだろ。分かんねェ」やリンゴを見て「じっと見てると食べてしまいたくなる」のモノローグなど、誤解が解けた後の咲の行動には色々なものが収束していて良すぎます。
咲の”その行動”はページを捲った後にあってインパクトがあり、捲る前のページに既に驚いている戸川先輩が描かれているので相当に迅速な行動だったと感じます。


最後まで読むと、梨香の思惑によって咲の”その行動”があり、即動いていた*2咲を考えるとニヤニヤせざるを得ません。



そう、最後まで読むと梨香の思惑にハマりまくってるんですよね。
だがそれがいい


「女の子同士ってどんな感じなんだろ。分かんねェ」や「じっと見てると食べてしまいたくなる」のモノローグは実際の出来事以外に、”過去にあったことの回想”をイメージとして重ねているように思います。


「女の子同士って分かんねェ」も、梨香は「女の子同士って(普通じゃないだろ?その感覚そのものが)分かんねェ」と取っているのですが、咲は「女の子同士ってどんな感じなんだろ。(実際に見たことはないからイメージできないから)分かんねェ」という感覚だったろうと思えて、その認識の違いが良いです。
ハメられたにせよ、すんなり受け入れての最後のやり取りですから。
最後のやり取りはもう堪らんですよ!



■ブログ内「百合姫S VOL.2」の総合記事
萌え寄り、直球な百合雑誌「百合姫S」VOL.2が発売!

*1:おそらく幼馴染

*2:梨香の話を聞いてから咲が動くまでに数コマありますが、咲と戸川先輩のポーズが同じことを考えると、思考していた時間は極短い時間だったのではないかと思います。紙面の印象がゆったりしたものであることも影響していると思います。