気になる2人の女の子の間で揺れる淡いラブストーリー - モモタノハナ



モモタノハナ/井ノ本リカ子(Amazon)


男の子は勘違いしてしまいやすい生き物なのです。
思春期の男子ともなればそれは尚のこと。
でも人を好きになるってそんな些細なことがキカッケで、本当に好きになったのならそれは勘違いじゃないと思うのですよ。


この「モモタノハナ」は淡い恋に揺れる男の子を主人公としたピュアラブストーリーです。


主人公のモモタは田舎の学校に転校してきた少年。
新生活に不安を抱きつつも、さっそく男友達もでき、引っ越す前からメールのやり取りをして話を聞いてもらえるネットの友達もいて何とかやっていけそうな感じがしている転校初日でした。


そして何より、女の子と知り合いになれたことは年頃の男子としてこの上なく嬉しいもの。しかも2人も。
クラスの委員長で面倒見が良く、転入生のモモタに声をかけてくれたさゆり。
もう一人、学校でぶつかってしまった女の子がいて、実は隣の家に住んでいる女の子・うめ。
2人とも可愛くて、笑顔を向けられればそれはドキリとするわけですよ。そして巨乳。



知っている人の少ない地で、それなりにコミュニケーションの機会があって笑顔を向けてくれる可愛い女の子がいれば、向こうに気があるわけじゃないと解っていても健康的な男の子ならば気になってしまうものです。意識しちゃう。
そういう形で、まだ恋になっていないけれど、気になる2人の女の子の間で揺れる感情。
いつ恋心に変わってもおかしくない、「好き」だと自覚しても不思議じゃない、恋になりかけの感情が甘酸っぱいです。



モモタは2人の女の子の間で気持ちが揺れ動いているのですが、「モテて、フラフラして何て男だ!」とあまり感じませんでした。
それはひとえに「気になる程度に好きだけど、まだ恋愛感情という意味で好きなわけではない」からでしょうね。
いや、モモタは実際にモテてはいて羨ましくあるのですが、思いっきりドキドキしてソワソワしていて”女の子が気になって仕方がない男の子”なのが憎めないどころか好ましく見えます。
まだ恋愛感情になっていないのですが、自覚がないだけでさゆりのこともうめのことも恋愛的な意味で好きで、何かもう一押しキッカケがあればそちらに傾いて完全に恋心に変わるような、そんなじれったい状態がむしろ良いです。
胸がキューっとなる感じがします。



女の子たちもそれほど恋愛に積極的なタイプではなくて、それがこの作品の淡い雰囲気の演出に一役買っています。
ともすれば個性が強くない感じもありますが、強烈なキャラクターで引っ張っていく話ではないですし、性格の穏やかさとおっぱいが大きいという柔らかなイメージが相まって、フワフワしてソワソワするような恋の話という感じがしますよ。



個人的には、モモタのメールの相手のhanaちゃんが可愛くて仕方がありません。
「hanaちゃんは同じ学校の女の子なんじゃ?」と考え、「もしかしたら、さゆりちゃんかうめちゃん?」と深読みしすぎてしまうモモタに親近感が湧いてしまいました。

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モモタノハナ (MFコミックス アライブシリーズ)

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