いつでも何でも楽しめる少女達に癒される - ふら・ふろ(1)



ふら・ふろ(1)/カネコマサル(Amazon)


まんがタイムきららキャラット連載中の「ふら・ふろ」の単行本が遂に発売ですよ。
4コマ誌において4コマではない漫画は目を惹くもので、「ふら・ふろ」には目を惹くだけの良さがあります。



「ふら・ふろ」はアパートの同室に住む女の子、ハナとナツのまったりした日常を描く漫画です。
2人はアパートの管理人ですが、お金はありません。管理人=大家とは限りませんものね。
狭くてボロっちくて、夏は暑く冬は寒い。駅もスーパーも遠くて、洗濯機は置けない、大家さんは乱入してくる。そんなアパートの一室。


そこでのハナとナツの生活は貧乏というよりも、清貧といった感じ。
スーパーのチラシを見ては買う食材を考えつつ想像に耽ったり、公園で動物と戯れたり、見つけたもので楽しんだり。
変なもの、他愛のないもの、そこらにあるもので楽しんで過ごす術を彼女らは持っています。
意識的にしているわけではない時も多いのですが、そういった”楽しむ”姿勢にまったりとした幸福感を感じるんですよ。
大抵は楽しんでいるのはハナの方で、ナツはなし崩し的に引きずられている感はありますが、楽しいから良いじゃない。
「今、この場で何かしよう」と思った時に、彼女達ならきっと楽しめる。そんな気がします。
慌しく生き急いでいない感じが和みますよ。



「ふら・ふろ」の構成としては1P漫画の形をとっています。
1つの話で繋がってはいるものの、1ページに1ネタになっていて、1ページだけ読んでもしっかり面白いのが良いなぁ。


おかしなことを言ったりしだしたりするハナに、ちょっとクールで常識的なナツが付き合わされたりツッコミをいれたりするのが、基本的な流れ。
そこに動物と仲良くなるのが上手く、凄い雪像を作ったりとかワケのわからないことに凄いスキルを発揮する師匠(幼女)が一緒に遊んだりします。
他には大家さんとか、新しい入居者の子が参加したり。
個人的には一回きりのキャラだと思っていた服屋のお姉さんが好き。まったりしたこの漫画において毒担当っぽいのが堪らない。


この漫画の空気感というかテンポを上手く伝えられないのが口惜しいのですが、基本的なノリのイメージとしては、「苺ましまろ」から毒を薄めてまったり感を増した感じでしょうか。ちょっと違うか。
ネタの唐突さやテンポが近い気がするんですが、どうだろう。


大きな笑いよりも「クスリ」という笑いのある漫画です。
心が疲れた時に読みたい1冊ですよ。