脱がなくともこれほどエロい!これがエロいということだ! - ナナとカオル(1)



ナナとカオル(1)/甘詰留太(Amazon)
エロ新聞 電脳版(作者サイト)


ヤンアニ嵐に連載が開始されて早々、とてつもないエロさで漫画読みの間で話題になった「ナナとカオル」。
単行本でまとめて読むと、改めてエロい。
甘詰留太先生の本気を見た!
これがエロいということだ!



ナナとカオル」はタイトルの通り、才色兼備な女子高生・ナナとチビで”キモムラ”渾名されるカオルの幼馴染の二人のお話です。
その極シンプルなタイトルとは裏腹に、内容はマニアックで変態的で、さすが甘詰先生というべきエロスに溢れています。
幼馴染ではあるものの疎遠になっている二人ですが、ひょんなことからカオルが、生徒会に勉強に疲れているナナの”息抜き”を手伝うことになります。
その息抜きの方法は”SM”。


カオルの持っていたボンテージをナナが着てしまい、錠でロックされて脱げなくなったそれを外す為にナナがカオルのSM趣味に付き合ったことが全ての始まり。
視姦され、言葉で責められ、軽く触られてイってしまったナナは、頭が真っ白になるくらい気持ち良くなって夜もグッスリ。勉強も成果が出たものです。
そんなこんなで、「ナナの意思でいつでも止めていい」息抜きとしてのSとMな関係が成立。
これがまた相当にエロい。



「キスや触ったりはなし」の関係なんですが、そんなの関係なく、いやその制限があるからこそ一段高みに昇る色気があるんですよ。
日常から逸脱した変態的な行為は、恥虐として思考をマヒさせます。
拘束に戸惑いながらも身体はゾクゾクと震え、誰に見られるか分からない場所での変態的な行為は胸を高鳴らせます。
脱がなくても、安易に裸に頼らなくとも、表情ひとつでこれほどエロい。
カオルに無茶なことを言われたナナが唇を舐める仕草はヤバイくらいの色気があります。



M側とS側、ナナとカオル双方の心理描写がまた良いんですよ。
プレイを望んでいるものの自分から言い出せない微妙な間柄、プレイが始まる前から駆け引きは始まっています。
首輪をしての帰宅、野外での放尿など、プレイが上手くできた時に褒めることで、緊張から安心となり気持ちが充足されるのが心地良いくらい。
学校では普段あまり話さないこと、人前では秘密がバレないように気を使っているのも、プレイ中の心理描写を盛り上げることに一躍かっているかと。


また、カオルがナナを好きなこともあって、ナナを傷つけるようなこと・痛めつけるようなことはしません。
傷がつかないようにプレイの勉強して、事前に準備もする。
「SMは愛」という意見があるのですが、マニアックなプレイは得てしてそうだと思うんですよ。
双方の合意が無いとできませんし、アブノーマルだからこそリスクを回避する知識と思いやりが必要。
愛なんですよ。



エロ漫画をはじめとして、様々なエロスを描いてきた甘詰先生だからこそのこの作品、このエロさでしょうね。
セックス無し、脱ぐこともなくとも、シチュエーションだけでこんなにエロい。
歳を喰う度にエロさを感じるのが安易な裸じゃなくてフェチ方向になっていっている気がするのですが、やはりエロというのはシチュエーションなんだよ。
ナナとカオル」はそういう意味で、ある種極まっている気すらします。エロい。