[漫画感想][ジャンプ]ハイキューの、テーマを凝縮した1話の面白さ。

転職したら圧倒的社畜になって、週刊誌もまともに読めなくなってしまったLITです。こんばんわ。
せめてジャンプくらいは、ということで購読を再開することに。
せっかくだから、なるべく感想書こうと思った次第です。
それでも週末になってしまうけれど。
…こんな生活長くは続かんぞ。



はてさてハイキューです。
個人的に今一番ジャンプで楽しみで面白いバレー漫画です。
超人的な必殺技のない地味といえば地味な、しかし丁寧なスポーツ漫画です。
弱くなったと言われて久しい古豪のバレー部が主人公チームなわけですが、丁寧で見せ方が上手い。


というのも、テーマが決まっていてカッチリとそれを見せてくれている話が多いんですよね。
先週のは坊主の田中さん、今週のは二人の主人公のうちの一人である影山。
スポットの当て方も、試合中ながらも、見せたいキャラクターについての導入からそのテーマのひとつの決着まで1話でキッチリ見せてくれているので、読んでいて気持ちが良いです。
”見せたいものを1話の中で見せてくれる”週刊誌向きな構成を取っている印象が強い。
その分見せたい内容によっては、時間経過的な意味で試合がかなりスピーディーに進行することもあります。
それはテンポの良さに感じるし、週刊ペースなのでよりプラスに働いている感じも受けます。



それで今週の話。


影山と、彼の中学時代の先輩である及川の対決が今の青葉城西戦のポイントなのですが、そこに触れる話のひとつ。
天才・影山をさらに上回る実力の及川の対比的な話で、中学時代の回想から入ります。
見せ方が上手いと感じるのは、実際の試合の流れの中で及川が影山を上回り、影山を焦らせて追い詰めていく。
その展開の中で、二人の何が違うのかということを回想を入れ、影山以外の言葉で語らせていきます。
才能としては天才というべき影山の方が上だけれども、今までも見せていたチームにメンバーの実力を発揮させる能力として及川が上手だと、そう及川の内語とともに見せて行く試合。
一撃で「及川の方が上だ!」と思わせるのではなくて、地味な、しかし確実な1点を積み重ねていく運び方が実に影山の焦りとシンクロした演出となっています。


そして影山の交代という形でこのセッター対決はひとまずの決着の形をみるのですが、ここで終わらせないのがW主人公であるこの漫画の魅力ですね。
苛立つ影山に、慰めの言葉をかけるでもなく「お前を倒すのは絶対おれって言った!!」という日向のセリフが素晴らしい。
チームでありコンビでありながらもライバルである主人公二人の関係がブレない。
落ちたままで次週に繋げないこの形は、1話に凝縮させている感をより強く感じさせます。



来週(といっても明後日の号ですが)は交代した菅原の先輩としての経験を見せてくれると思うと、以前の勝つために一年の影山にスタメンを譲ったエピソードを思い出して胸が熱くなるというものです。