大奥(1)

大奥(1)/よしながふみ

 
パラレルな設定なので時代劇として見てよいのかどうか、甚だ疑問ではありますが。
 
男性のみが感染する謎の伝染病により若い男性が次々と死に、男性の割合が女性の1/4で定着した日本。
男性の生存率の低さから労働・社会の担い手は女性へと移り将軍職も女性が就くこととなり、時は江戸時代。
女性将軍・徳川吉宗と美男子三千人の大奥を舞台にした物語。
 
というわけで男女逆転劇です。
去年の作品なので何を今更という感じもしますが、面白いので良しとしましょう。
 
この1巻では主人公は吉宗ではなく、大奥に入ったばかりの青年・水野です。
俗世間と大奥内の常識・考え方の歪みや問題性がクローズアップされる形になります。
大奥の人間の考え方に疑問を持ちつつ異例の出世をしていく水野。
吉宗は後半から登場するのですが質素を重んじる彼女は大奥を改革してゆき、将軍職の中で”何故家督を継ぐ際には男名を名乗るのか”などといったことから、日本の現状に疑問を持ち大奥の記録を調べてみることになります。
 
とんでもなく長い作品になりそうな予感がプンプンしているものの、先がやたらと気になる大河ドラマ的な作品です。
この先どう展開していくかが見物。