蟲惑的なだけでなく、引き込まれるほどのこの魅力 - すんドめ
君とはSEXしないよ
他のコ達としても
行きずりのヒトとしても
地球上で2人きりになったとしても
君とだけは絶対にSEXしない
この漫画でおそらく一番有名だと思われるこのセリフ。
私はこのセリフを見て「おあずけ状態を食らった主人公に、ヒロインが他の男とSEXするのを見せ付ける」漫画だと勝手に解釈して、この漫画を避けていたのですが…
勘違いでした。
大いなる勘違いでこの漫画を避け続けるところでした。ふう、危ない。
この漫画は”すんどめ漫画”なので、「おあずけ」はあながち間違いでもない気がしますが。
思い込みだったことがわかったので、1巻から最新刊の3巻までまとめ買いして一気読みしましたよ。
相当、面白い漫画です。
「すんドめ」ってどんな漫画?
転校してきた少女・早華胡桃。
貧乳スレンダーな美少女で、転校生ということもあり一気に全校に注目される存在に。
男からモテて、DQNからキモオタまで彼女を狙っている男はかなり多くいる模様。
「浪漫倶楽部」に所属する、冴えない上に存在感も薄い男子・相羽英男。
女性に興味がないと思われているが、胡桃は相羽にとって「全てがツボ」な少女で一目惚れ。
「浪漫倶楽部」は校内ではキモオタ集団と思われており避けられている部だが、童貞のまま卒業すれば各界に強力な影響力を持つOBのバックアップを受けられるらしい部。
胡桃はOBからの刺客の疑惑が…
端的に言えば、この2人の関係を描いた漫画です。
胡桃は明るく周囲から好かれ、エロとは無縁と思われています。
相羽は、教室では空気。
しかし、胡桃は「浪漫倶楽部」に入部。
それどころか、相羽の前でだけ淫靡な表情を見せ、前述の言葉、
君とはSEXしないよ。
他のコ達としても、行きずりのヒトとしても、地球上で2人きりになったとしても、君とだけは絶対にSEXしない。
に続き、
いくら泣いて求めても、あたしが君を射精させることは絶対にないよ。
それでも、いい?
これに対して相羽は了承し、胡桃に首輪をハメられたのでした。
蟲惑的な「すんドめ」の快楽
上記のように「SEX」も「射精させること」も絶対にしない、そんな胡桃ですが相羽との関係は歪で淫靡。
キスをしたり、上半身を舐めたり、ペニスを手で触ったり。
はたまた、相羽に下着を脱がせさせたり、鎖骨を咥えさせたり。
すべては胡桃の許可の上、胡桃の気分次第の快楽で、その不自由さがまた妖艶な魅力を備えています。
SEXやフェラチオ、射精させることはありませんがそれでも、いや無いからこそ蟲惑的。
そして、おしっこ漫画でもあります。
こんな漫画、若いウチから読んでいたら正常な性癖にはなりませんね。
良い漫画です。
単純に妖艶な魅力だけでは、ない
この漫画は性的な描写だけではありません。
もちろんそれも大きな魅力ですが、胡桃と相羽の2人の関係も見所。
「SEXすることも射精させることも絶対にしない」。
これが胡桃が相羽に言った関係。
友人でも恋人でもないけど、それでも”特別”だと言えるであろう関係。
胡桃から性的接触を受けるものの、射精まで導いては貰えない相羽。
それどころかオナニーも胡桃の管理下におかれ、許可ナシではできなくなります。
胡桃以外ではほぼ勃起しない体になった相羽は、心も身も胡桃の鎖に繋がれているといえます。
男なら耐えられない状況ですが、男なら−特に私などのオタクには−少なからずMっ気があると思うのですが、なんていうか…その…下品なんですが…勃起…しちゃいました。
中でも読んでいて耐えられないのが、「オナニーの許可が出て、胡桃も触ってくれている」状況のこと。
彼女の温もりを感じたまま射精できるかという、その直前。
射精の直前に胡桃の手は離れ、酷い孤独感ともに果てる相羽。
何この、絶望感。
でも、これがこの漫画の持つ「自分の身に起こったら耐えられない」魅力のひとつです。
相羽は許可がでない日は性欲を紛らわすために走り、性格も胡桃の関心を引きたいがために積極的に変わっていく。
相羽が以前のようなヘタレた人間から成長してきていることと、歪な関係ながらも距離は近づいていると思えるのが読んでいて引き込まれていきます。
しかし、3巻ではこの漫画に引き込まれていれば引き込まれているほど、気分が引っ張られて沈むはず。
距離は近づいたように感じても、首輪をハメて鎖を握っているのは、胡桃。
作中のセリフでもありますが、まさに「『ボクだけ』の『キミ』じゃなく『キミだけ』の『ボク』」。
相羽にとって最も耐えられないのは、「胡桃に無視され、捨てられること」。
主導権は胡桃にだけ、ある。
そうして、見え隠れする大人の男の影。
もう、読んでいて気持ちが沈む沈む。
胡桃本人も相当に謎の多い少女で、これから先の展開が見逃せません。
個人的な印象での感想
ここから完全に個人的な感覚での感想の話。
私は基本的に感覚・感性・感情で初回は読む人なのですが、特定の恋愛漫画などを読むと精神が不安定になることがあります。
寂しいような、胸を締め付けられるような感覚になります。
その作品はそれだけ、独特の雰囲気や圧倒的な存在感、強い影響力を持っているからだと解釈しています。
この「すんドめ」もそうでした。
一気読みが悪かったのか(もしくは、良かったのか)、精神的に揺さぶられて一日経ってもちょっと不安定です。
(…もしかしたら、風邪が完治していないというのも関係しているのかもしれませんが。)
こういう感情にさせられた漫画は、少なくとも自分にとっては間違いなく名作。
それだけ強いモノを秘めている漫画だと思うのです。
「すんドめ」、この漫画はヤバイ。
関連
○「すんドめ」の実写化に吹いた
○「すんドめ」・・・それは苦痛と快楽の間にある愛のカタチ【マンガがあればいーのだ。】
たかすぃさんのレビューで、ウチの冒頭で引用した部分のセリフを見て勝手に勘違いした私。
あの時、ちゃんと最後まで読んでおけば…!
○「すんドめ」に見る、少年が感じる得体の知れない少女の性のカタチ。【たまごまごごはん】
胡桃は相当に謎な立場なキャラで色々と想像すると、また不安定になります。
何かに縛られていて、彼女の自由にできるのは相羽だけなのかもしれないと感じます。
○映画版「すんドめ」公式ホームページ
この漫画の実写化なんて言われたら観に…行けないので、DVDを待ちます…
- 作者: 岡田和人
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/09/20
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
- 作者: 岡田和人
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/04/20
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
- 作者: 岡田和人
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2006/11/20
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 107回
- この商品を含むブログ (48件) を見る