ハチャメチャでガッチャガチャなラブコメディ、完結! - ガッチャガチャ(8)



ガッチャガチャ(8)/橘裕(Amazon)


橘裕先生の”ガッチャガチャ”なラブコメ、一年ぶりの新刊にして完結巻。
こう来るか!こう来たか!という、予想外ながらもこの漫画”らしい”と言えばらしいラストで面白かったです。



元彼はダメ男ばかりで男運が極度に悪い少女、室井友里。
女好きで中身はオッサン気味な美少女にして狂犬、神楽坂素子。
女癖が悪く飄々として軽い印象の男、矢部鷹弘。
信頼の厚い生徒会長ながら中身はヘタレな男子、平尾匠。


作者からして”かなりクセのあるキャラクター”と言わしめる、おおよそ少女漫画の王道からはズレている4人をメインに据えた少女漫画。
途中から登場する、素子の姉の可菜子の色んな意味で病的なシスコンっぷりも良いです。
その物語の展開もタイトルの通りにガッチャガチャで、ハチャメチャで楽しかった。
軽快でテンポ良く、見せる場面はしっかりと魅せてくれて、好きな作品です。



平尾は友里が好きで、友里は矢部が好きで、矢部は可菜子が好きで、可菜子は素子が好き。
そんな人間関係も徐々に変化をしてきて、ヘタレな平尾先輩に春が来たようで来てないような感じになったりして微笑ましい限りです。
何かもう初期から、カッコイイ外見ながら一言多かったり裏目裏目になるヘタレな平尾先輩を応援したくて堪らないワケですが。
最終巻の平尾先輩の可愛さは異常。



とにかくアクの強いキャラクターが魅力な作品なんですが、一番インパクトのあるキャラクターである素子の活躍は最終巻でも際立ってました。
活躍の場が多かったのは平尾先輩ながらも、オイシイところを持っていったのは素子で、読後の印象も素子の活躍が色濃く残った感じです。
まぁ、ある意味でこの漫画の最強キャラですからね。戦闘力的な意味でも、性格的な意味でも。
主人公の友里や、友里の相手役というポジションであるはずの平尾先輩よりも目立っているこの活躍っぷり。
「ガッチャガチャ」の主人公は素子だったんじゃないかと感じることもしばしばです。
そういえば、素子絡みのエピソードは多くて、それの原因が友里だったり解決に友里が後押ししてた展開が多かったような…。
なので、ラストは意外なようでありながらも”らしい”終わり方だったと思います。



ラストだけでなく、最終巻の展開そのものも懐かしいまさかのキャラの再登場もあり、本当に少女漫画には珍しい終盤でしたが、最後までドタバタしてて楽しかったですよ。
しかし、本当にメインキャラの血の気が多いなぁ。それがいいんですが。
面白かったです。


ガッチャガチャ 第8巻 (花とゆめCOMICS)

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