「男装少女×少女」における百合を考えてみる

ヤングジャンプ「ノノノノ」で悠太とみかげの百合展開を期待、という意見を見たことがあるのですがここ数週の展開を見ると儚い期待かな、と個人的には思うのでした。
悠太は普通に天津を意識していることですし。


ただ、みかげが悠太が実は女だと知った時に、もしもそれでもなお悠太のことが好きでいたならばその感情は百合と言えるんじゃないか?とも思うのです。


というわけで、「男装少女×少女」で百合と呼べる展開はどんなパターンだろうということを考えてみます。個人的な判断基準で。


最終的にどういう展開でも面白い漫画なら面白い、でいいと思うんですが、百合漫画のジャンルとして色んなモノがあるんじゃないかな、と。



あくまでフィクションとしての百合に対しての考えですのでご了承ください。
「少年」、「少女」という書き方をしますが、別に大人の男女でも変わりありません。「女装男」より「女装少年」の方が語呂がいいかなと思っただけです。
また、「マーメイドライン」のような性同一性障害のパターンは今回ややこしくなるので除きます。
「女装少年×少女」も併せて考えていたのですが、長くなりすぎるので後日に別途記事にします。


男装少女×少女

さて、「男装をしている少女と少女」の恋愛を扱った場合の百合を考えてみます。


この場合の男装は「個人の趣味・性癖」というパターンと「事情によって」の2パターンがほとんどだと思います。女装少年の場合も同じく。
ただ、男装をしている理由よりも「少女が恋している相手を”男装した少女”として認識しているかどうか」が、その作品に百合を感じるかどうかの部分としてまずひとつの判断基準になるはず。


認識していれば「(男装した)少女×少女」で百合ですものね。ウテナとか。
同様にキャラ同士が認識していれば、「(女装した)少年×少女」や「少年×(男装した)少女」ならば男女もの、「少年×(女装した)少年」ならばBLと言っても差し支えないと思います。


そうすると、考えるべきは「恋した相手の”本来の性別”を認識していない」パターン
明らかになった時どうなのか、読者に明示されているか、どちら視点で進むのか、がポイントになるんじゃないかと思います。


男装少女×少女 (男装少女側視点


このパターンだと視点が男装している側なので、主人公が実は少女だと読者には明示されるでしょう。
読者にも伏せられている場合は、物語に何らかのギミックが仕込まれている時でしょうか。


主となる感情の描き方は「少女→少女」となるので百合と言っていいと思います。
男装した少女だと明らかになった時に、受け入れられたなら百合ものとしてハッピーエンド、受け入れられなかったなら悲恋ものになるかと思います。

男装少女×少女 (少女側視点、男装を読者には明示)


この場合は主人公の少女が相手を男だと思っているので、主に描かれる感情は「少女→少年」
ただ、読者には2人とも少女だと判っているので百合ものとして見るかどうかは人によって変わってくるところでしょうか。
ギャグ色が強い作品だと、百合コメディに見える気がします。


性別が明らかになった時、「性別は関係なくこの人が好き」となれば百合ですね。読み返せば百合にしか見えなくなる気がします。
「同性はムリ」であれば悲恋ものですが、百合かどうかは作品と読者の見方によるかと。

男装少女×少女 (少女側視点、男装を読者にも伏せてある)


このパターンは感情の描かれ方が「少女→少年」で読者にも明示されていないので、男女ものの恋愛漫画として読むことになります


ヘテロの恋愛ものだと思っていたら終盤で「実は女同士」と明らかになった時に読者は「してやられた!」と思うのか、はたまた怒るのか。
百合好きの人は多分楽しむと思います。
これ、ハッピーエンドになるって知った上で読むなら百合だよなぁ。


離れていく結果になるなら一風変わった恋愛漫画になる…のかな?
こういうパターンとはちょっと違うんだけど、小池田マヤ先生の「CGH!」の1〜3話まで*1を読んだ時に百合とは感じなかったようなものだろうか。


読者が認識しているかどうかが大きい?

読者が「女の子同士」と認識しているかどうかが、百合として判断するかどうかに関わってくると思います。
キャラの一方が相手を外見上の性別で見ていても、読者としては同性に見えているわけですし。


外見上は同性に見えても、実際は男女という「女装少年×少女」はまた後日考えます。多分明日に更新できると思います。

*1:主人公のヒナコが旅先で出会ったマキオと一夜を過ごし(セックスはしてない)、帰国後再開。実はマキオが女でバイと知って愕然、という展開。